ホトトギスの話し

時々ホトトギスを聞きます。
東京特許許可局(トウキョウトッキョキョカキョク)」とか「てっぺんかけたか」とかのように聞こえるあれです。
カッコウとともに仮親・托卵というずるい(賢い?)子育てシステムを持っている鳥です。
以前は信州の山の中でしか聞けなかったのに最近はこんな人里でも聞かれるようになったということは何を意味しているのか。

信長・秀吉。家康の3人の性格をホトトギスの句に託して表現している話は皆さんご存じでしょう。
 鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス  信長
 鳴かぬなら 鳴かせてみせる ホトトギス 秀吉
 鳴かぬなら 鳴くまでまとう ホトトギス 家康
誰が作ったのだか、なかなかみごとに表現しています。

ところがもうひとつあるのは知られていない。

 鳴かぬなら それもまたよし ホトトギス
 
これは松下幸之助の作といわれているのですが、その真偽のほどは未確認です。
ホトトギスはいい声で鳴かなければならないという「人間の勝手」が前の3つには表れています。
でも無口なホトトギスもいるはずです。
それはまたそれで個性的であっていいではないか、というのが最後の句の表現するところです。
あの金子みすずの詩「みんなちがってみんないい」のようにどこかほっとさせる句ですね。