努力逆転現象とプラセボ効果
こういう話を知っている?
看護婦だった私の妻から聞いた話。
病棟勤務の「深夜」のとき。「夜眠れないから睡眠薬をください」と来る患者さんが結構いるのだそうだ。そういうとき「これはとてもよく効く最新の睡眠薬であなたのためにドクターが薦めてくれたものだ」といってビタミン剤かなんかの関係ない薬を飲ませる。
でもその患者はその「睡眠薬でもないビタミン剤」を飲むとすぐにガーッと眠ってしまうのだそうだ。
こういうのをプラセボ(偽薬)効果という。
医師とか看護婦とかの「よく効くクスリ」という「権威づけ」や「暗示」が必要なのだろうね。
これってどこか「イワシの頭も信心から」という「信仰」の構造とよく似ているような気がするのだけれど、どうだろうか?
ところで、そうなってはいけないと思えば思うほどそうなってしまう心理現象をなにか知っている?
あり地獄みたいにもがけばもがくほど沈んでいってしまうようなことだ。
不眠症なんかそうではない? 眠らなきゃと焦るほどに目がさえてくる。遠足の前なんかよくそうだった。
私は眠れないということがほとんどないしあわせなひとなんだ。眠れない夜なんかかえって「本が読める」なんて嬉しくなってしまうけれど、本を読み出すとすぐに眠くなってしまう。
乗り物酔い。
人前であがっちゃうとき。あがっちゃいけないと思えば思うほどあがっちゃうのね。
赤面というのもそう。
これって不思議な現象だよね。人間の心理や意識の不思議さだね。
「依存症」というのもどこかこういう心理が働いていそうな気がするけれどどうだろうか?
こういうのは「努力逆転現象」というのだそうだ。ぬけだそうと努力すればするほど深みにはまっていく。