情報教育

ピエロの自由
あるまじめなシスターの話です。
彼女がアメリカに留学中の話です。
よく行っていた教会が町のフェスティバルに参加することになり、教会の人に誰かピエロにならない
かという呼びかけがありました。
彼女はおずおずとやってみたいと手を上げました。
そんなことは日本では考えられなかったことです。
異国の地でそれまでの自分から脱皮するよいチャンスと思われたのでしょうか。

それが誰であるかわからないくらいあつ化粧をして、ピエロに扮して町へ出ました。
通りへ出て彼女は見知らぬ道行く人に大げさに挨拶をしたり、オーバーに感情を表現したのです。
子どもたちが挨拶を返してくれたときには、とてもうれしそうな表情を身振り手振りを交えて表現し
ました。たちまち子どもたちの人気者になりました。

それは彼女にとっての「解放」の体験でした。
誰かわからないくらいの扮装によって彼女は「恥ずかしい」という気持ちから解放されました。
見ず知らずの人の誰にでも挨拶ができました。
感情を思いきり大げさに表現しました。
多くの人がそれに応えてくれ、うれしそうな表情で返してくれました。
そして彼女は町の特に子どもたちの人気者になりました。

これは日本では体験できないことでした。
このときの「解放された体験」そしてチャレンジした体験が彼女を少し変えました。
彼女は少し大胆になったようです。

この話はなにか福音的なことを語っているような気がします。