「将来」と「未来」


高2の「倫理」の授業での、ある日の生徒達とのやりとりです。

「『将来』と『未来』はどちらが近くてどちらが遠い先のことかわかるひと?」
「同じ意味ではないのですか?」
「君たち、漢文でならわなかった?」
こう言うと勘のいい子はすぐに気づきます。
「そうか、未来は『未だ来たらず』で、将来は『将に来たらんとす』なのか。こう書くと全然意味が
違うじゃん。つまり将来の方が近いのですね。」
「そういえば、『遠い未来』とはいうけれど、『遠い将来』というのはあまりいわない。でも『近い
未来』とか『近い将来』というのはよくいうよね」
「英語では両方とも future だけれど、たとえば『死』というテーマは若い人には『未来』のことで
も、お年寄りには『将来』のことなんだろう。使う人の感覚によって知らず知らずのうちに使い分け
ているのだろうね。」
「そうかあ、ことばっておもしろーい」

とまあ、こんなやりとりがあありました。