ルイス・アルメイダと「聖母の鐘」

ルイス・アルメイダという人物に興味あったので本を探していたら、「聖母 

の鐘 ─南蛮医アルメイダの遺産─」(篠田達明著 新潮社 1990年)という本に出会った。

 かれは、貿易商人だった。それが日本にきて貿易商人として設けた資金とともにイエズス会に入会
、宣教師になる。金儲けのために人をだましたり、だまされたりという商人の世界にむなしさを感じ
ていたかれは、豊後でハンセン氏病の患者のために働いている宣教師たちの姿を見てショックを受け
たのがきっかけという。
 しかも彼は医術の心得があった。これを生かし大友義鎮の支持のもとに豊後に病院をつくり、はじ
めての外科手術を行う。

 この小説の表紙にはこのように述べられている。
 九州は大分、大友宗麟の足元に、南蛮医アルメイダの建てた聖母の病院。キリシタンに改宗してし
まった師と同僚を連れ戻しに来た、若き漢方医・東野左中が見たものは…………。
 驚異の南蛮医術、バテレンと仏門派の宗教争い、そして恋。
 若き医師の苦悩と成長の物語。

 著者は昭和12年生まれ。重度の身障者施設で医師として働く傍ら、医学時代小説ともいうべきジ
ャンルの小説を書いている。
 別にクリスチャンではないようである。こういうクリスチャンでないひとが書くキリシタンの歴史
の方がなんかおもしろいような気がする。